旅行と乗り物酔い対策
- 緑川 武志
- 2016年4月28日
- 読了時間: 3分

こんにちは。北浦和 みどりの薬局の管理薬剤師 緑川です。
みなさま、GWのご予定はいかがでしょうか?
帰省されるかた、国内旅行に行かれる方、少しリッチに海外旅行に行かれる方、はたまたお家でのんびりされる方・・・。
私は登山を楽しむ予定です!
さて今日は、『乗り物酔い』についてお話させて頂きたいと思います。
旅行は楽しみなのだけど乗り物酔いが心配で・・・という方の参考になればと思います。
乗り物酔いは『動揺病』や『加速病』とも言われ、自動車や飛行機などの加減速や揺れにより三半規管が刺激された結果、自律神経の失調が引き起こされて生じます。他にも、周りの景色などの視覚刺激、車内や排気ガスのにおいによる嗅覚刺激、また「酔ってしまったらどうしよう」という不安によっても起こります。
症状としては、気分が悪くなる・生唾・顔面蒼白・冷や汗・吐き気・嘔吐などがあります。
乗り物酔いは古来よりある概念で、2000年以上前には、ヒポクラテス(古代ギリシャの医者で、「医学の祖」と称されている)による船酔いについての記載があると言われています。
乗り物酔いを予防するためには、
①睡眠をしっかりとる
②満腹状態・空腹状態を避ける
③炭酸飲料やお酒を控える。柑橘類も、乗り物酔いを増長させるので控えたほうがよい
④ゆったりとした服装にする。サングラスをかける(目から入ってくる刺激を減らすことができる)
⑤遠くを眺める。読書やゲームはしない
⑥換気が可能な場合は、こまめに換気をする
⑦乗り物を利用する前にお薬を飲む(30分前までには飲むようにする)
お薬には、酔い止め(抗ヒスタミン薬:トラベルミン®、制吐薬:ナウゼリン®・プリンペラン®)などがあります。
『トラベルミン』はみなさまお馴染みではないでしょうか?
トラベルミンには「ジフェンヒドラミンサリチル酸塩」と「ジプロフィリン」の2つの有効成分が含まれています。「ジフェンヒドラミンサリチル酸塩」が自律神経に働き、乗りもの酔い症状を予防・緩和し、「ジプロフィリン」が揺れによって起こる感覚の混乱を抑制し、乗りもの酔いを予防します。ジフェンヒドラミンは昔から使われている抗ヒスタミン薬ですが、強い眠気を引き起こします。
乗り物酔いは抑えられるけれど眠くなってしまう・・・少しもったいない気もしますね。
漢方薬にも、乗り物酔いに有効なものがあります。主なものに『五苓散(ゴレイサン)』があります。五苓散は、体内の水分の調子を整えることによって、むくみや吐き気、下痢などを改善してくれます。
他にも『小半夏加茯苓湯(ショウハンゲカブクリョウトウ)』『半夏厚朴湯(ハンゲコウボクトウ)』『半夏瀉心湯(ハンゲシャシントウ)』があります。漢方薬は、乗り物に乗る1~2日前から服用することが効果的です。
これらの酔い止めを上手く使って、快適な旅行をしたいものですね。
どうぞみなさま楽しいGWをお過ごしください!