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生薬の薬性と薬味

  • 緑川 武志
  • 2016年12月13日
  • 読了時間: 3分

こんにちは。北浦和 みどりの薬局の管理薬剤師 緑川です。

 今日のテーマは『生薬の薬性と薬味』です。

 まず生薬とは、漢方薬の原料のことで、「きぐすり」とも言われます。一般に漢方薬は4~10種類以上の生薬を組み合わせて作られています。

 生薬には薬効のある根や茎、果実、花など植物のさまざまな部位を乾燥させたものや鉱物、貝殻など天然由来のものが用いられています。

 生薬の作用は体を温めるか冷やすか、または味覚によって分類されます。この「体を温めるか冷やすか」が『薬性』、甘い・辛い・苦いなどの味覚が『薬味』になります。

 それでは『薬性』と『薬味』について見ていきましょう。

◆薬性◆

 薬性とは生薬の性質のことで、主に5つに分類されます。

【五気】

『寒』 → 消炎・鎮静作用、体を冷やす (薬性が強い)

『涼』 →   〃           (薬性は穏やか)

『平』 → 寒熱の境界があまり明らかではない (薬性は比較的穏やか)

『温』 → 興奮作用、体を温める (薬性は穏やか)

『暖』 →   〃        (薬性が強い)

 『寒』『涼』の生薬は熱証タイプの病気に、『温』『暖』の生薬は寒証タイプの病気に用いるのが原則です。逆に使ってしまうと、病状が悪化するおそれがありますのでご注意ください。

◆薬味◆

 薬味(やくみ)とは生薬の味のことで、主に5つに分類されます。

【五味】

『辛(しん)』 → 辛味

『甘(かん)』 → 甘味

『酸(さん)』 → 酸味、すっぱい味

『苦(く)』  → 苦味

『鹹(かん)』 → 塩味、塩辛い味

他にも、

『淡(たん)』 → 味が薄い

『渋(じゅう)』 → 渋みがある

ということもありますが、『淡』『渋』は「五味」と合わせて言われることがほとんどですので、基本は「五味」で考えます。

 「五味」は五臓と関連付けられており、次のような性質があります。

『辛』 → 肺(はい)に作用する、発散・発汗作用      【散らす、巡らせる】

『甘』 → 脾(ひ) に作用する、緊張緩和・滋養強壮作用  【緩める】

『酸』 → 肝(かん)に作用する、収縮・固渋作用      【散らばったものを収める】

『苦』 → 心(しん)に作用する、熱を鎮め、湿りを乾かす作用 【固める】

『鹸』 → 腎(じん)に作用する、乾きを潤し、軟化させる作用 【潤す】

 ※収斂・固渋作用・・・体を引き締め、気や陰液(人体を構成する体液の総称)が過剰に漏れ

          出るのを防ぐ働き

 薬味は本来味覚により決められたものですが、中には効能との関連付けが優先され、実際の味とは一致しない薬味の場合があります。効能から薬味が決定している代表的なものとして、葛根の『辛』、石膏の『甘』があります。

 すべての薬物には薬性と薬味あり、薬味が同じ生薬の作用は類似します。 また複数の薬味を持つ生薬は、作用範囲が広いことを示しています。

 先日公開した生薬辞典にも『薬性』と『薬味』を記載しています。漢方薬の効果やお味の確認にぜひお役立てください。

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