生薬の薬味と五臓
- 緑川 武志
- 2016年12月20日
- 読了時間: 2分

こんにちは。北浦和 みどりの薬局の管理薬剤師 緑川です。
前回のお話で、薬味(五味)は五臓と関連付けられているとお話させていただきました。
まずは前回のおさらいです。
1. 薬味=生薬の味のこと
2. 薬味が同じ生薬の作用は類似する
3. 複数の薬味を持つ生薬は作用範囲が広い
【五味】
『辛』 (辛味) → 肺(はい)に作用する 、発散・発汗作用
『甘』 (甘味) → 脾(ひ) に作用する 、緊張緩和・滋養強壮作用
『酸』 (酸味) → 肝(かん)に作用する 、収縮・固渋作用
『苦』 (苦味) → 心(しん)に作用する 、熱を鎮め、湿りを乾かす作用
『鹹』 (塩味) → 腎(じん)に作用する 、乾きを潤し、軟化させる作用
※収斂・固渋作用・・・体を引き締め、気や陰液(人体を構成する体液の総称)が過剰に漏れ
出るのを防ぐ働き
漢方薬でいう五臓は、解剖学的な臓器(内臓)とは一致せず、人体の働きや機能を意味しています。
『肺』
・呼吸を司どり、人体の「気」をコントロールします。
・肺の状態は肺と経路がつながっている鼻に表れます。
【関連する疾患】風邪、肺炎、気管支炎、喘息、慢性鼻炎、花粉症など
『脾』
・食物や水分の消化吸収が主な作用です。
・脾の状態は口に表れ、機能が低下すると味覚異常や口内炎などの症状が表れます。
【関連する疾患】食欲不振、慢性胃炎、胃潰瘍、過敏性腸症候群、下痢、便秘など
『肝』
・「気」のめぐりを調節し、精神の安定や、血液や水分の流れの調節などを行います。
・肝の状態は目に表れ、機能が低下すると視力低下や眼精疲労などの症状が表れます。
【関連する疾患】高血圧、眼精疲労、自律神経失調症、神経性胃炎、過敏症腸症候群など
『心』
・心臓の拍動により血液を全身に巡らし、また血液の生成を行います。
・心の状態は血管が多い顔面や舌に表れます。
【関連する疾患】狭心症、心筋梗塞、不整脈、不眠、口内炎など
『腎』
・体内の水液代謝を調節します。
・腎の状態は主として耳に表れ、機能が低下すると耳鳴りや生殖機能の衰えなどが
起こります。
【関連する疾患】腎炎、排尿障害、骨粗鬆症、耳鳴り、更年期障害など
五臓は陰陽五行説の考えに基づいており、それぞれ関連性があります。お互いに助け合い、また抑制し合うことで全体のバランスをとっているため、そのバランスが崩れると体調を崩したり病気になったりするのです。