経口補水液 OS-1(オーエスワン)
こんにちは。北浦和 みどりの薬局の管理薬剤師 緑川です。
昨日は全国各地で30℃を超える真夏日となりましたね。今日もとても暑く、薬局内もついにエアコンをつけました。
みなさま、『OS-1(オーエスワン)』をご存知でしょうか?
所ジョージさんのCMでおなじみの『経口補水液』です。みどりの薬局でも、先日から取り扱いを開始いたしました。味はポカリスエットに似ており、脱水時には特に美味しく感じます。
『経口補水液』とは、水分と電解質をすばやく補給できるように、ナトリウムとブドウ糖の濃度を調整した飲料のことです。電解質は体内中の水分(体液)に含まれており、水中では電気を帯びたイオンになり電気を通します。電解質は身体にとって重要な役割を果たしており、少なすぎても多すぎても細胞や臓器の機能が低下し、命に関わることがあります。主な電解質(イオン)には、ナトリウム(Na+)やカリウム(K+)、マグネシウム(Mg2+)、カルシウム(Ca2+)、クロール(Cl-)などがあります。
『OS-1(オーエスワン)』は、他の飲料と比べてナトリウム(Na+)とカリウム(K+)を多く含んでいます。ナトリウムイオン(Na+)は身体の水分量および浸透圧の調節、神経の伝達、筋肉の収縮などに働き、カリウムイオン(K+)は神経の伝達、筋肉の収縮、心臓の収縮などに働きます。
『OS-1(オーエスワン)』は、もともと脱水時に病院で点滴する輸液を飲用に改良したもので、軽度から中等度の脱水症状に大変適しています。
脱水症状とは、体内から水分と電解質が失われた状態を指します。まず体内から水分が失われると、その分だけ血液の量が減り、血圧が下がります。すると肝臓や消化器などの臓器を巡る血液量が減り、必要な栄養素を運んだり不要な老廃物を排泄したりする能力が下がります。また、脳の血流が減ると集中力が低下し、消化管の血流が減ると食欲不振が起こります。
同時に電解質が失われると、体液が濃い部分を薄め、薄い部分を濃くしようとする浸透圧が維持できなくなります。その結果、神経や筋肉に悪い影響が出てきて、脚がつったり、しびれや脱力が起こったりします。
脱水症状は、過度の発汗によってのみ引き起こされるのではありません。感染性腸炎、感冒(風邪)による下痢・嘔吐・発熱に伴うものや、もともと体内の水分量が少ない高齢者が、トイレが近くなるなどの理由から水分補給を控えることによって脱水症が起こる場合もあります。
『OS-1(オーエスワン)』は、一般的なスポーツドリンクよりも糖質濃度が低く、電解質濃度が高い組成になっていますので、すばやく水分が吸収されます。よって、脱水状態の体には大変効率よく水分・電解質補給ができるのです。しかし、日常的に水分補給代わりとして飲用するのには適していません。健康状態(体内の水分バランスが整っている状態)でガブガブと飲んでしまうと、むしろバランスを崩してお腹を下し、脱水症状を誘発する可能性があります。
つまり、通常の水分摂取は水やスポーツドリンクで行い、下痢や嘔吐、発熱、激しい発汗、経口摂取不足で脱水状態になりやすくなっている時や、脱水状態になってしまったときは『OS-1(オーエスワン)』を摂取するという使い分けが大切です。
また、『OS-1(オーエスワン)』で薬を服用した場合の、薬の吸収や安定性に関するデータを取得されていませんので、お薬の服用は通常のお水や白湯でお願いいたします。
そのほかご不明な点がございましたら、ぜひ薬剤師にご質問・ご相談ください。